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耳鳴りの有病率と研究の歴史

 

■耳鳴りの有病率
日本の補聴器会社が2009年度に実施した「耳鳴りに関するアンケート」では、「事前スクリーニング調査」を実施し、日本で の耳鳴り有症率を調べました。40~70代の世代男女均等割した3,900人に耳鳴り(気になる症状)があるかどうかについて質問した結果、現在自覚症状 があると答えた人の合計は全体の22%と全体の5分の1の方が、耳鳴りがあるとの結果が出ました。

 

日本国内で調べた3,900人のうち、耳鳴の自覚症状の ある人を40代~70代男女均等割で416名にしぼり、「耳鳴り」に関するアンケートを実施しましたところ、耳鳴り自覚者の中でも23.6%の人が常時そ の音を意識していることが判明しました。年代別では40代が19%、50代が21%、60代が24%、70代が27%の方が、耳鳴りの自覚症状があるよう です。年代的に高齢になるほど、耳鳴りを自覚している人が多くなってきているのがわかります。

 
耳鳴りがある方では、23.6%が常時鳴ってお り、26.4%が過去に経験したことがある、時々鳴るは約半分の50%です。常時耳鳴りが鳴っている方の中で、気になる症状としては、体の事が心配になる 人は45.3%、不安な気持ちになる44.2%、イライラするが41.9%、夜眠れないが31.4%でした。あと落ち込んでしまうが14.0%、絶望的な 気持ちになるが2.3%といました。このような方は本当に大変だと思います。

 
耳鳴りのためにイライラしたり、耳鳴りのために体のことが心配になる、耳鳴りのために不安な気持ちになるという方が、耳鳴りの自覚症状のある方の割合の中で約4割苦しんでいるとの報告もあります。

 

■耳鳴りの研究の歴史
古代ギリシャ時代の医学の父、ヒポクラテス(紀元前460~370年頃)の時代から耳鳴の研究は行われているようです。 紀元前の昔から研究されているが、いまだに「難治」の病であります。現代医学でもまだま耳鳴りのメカニズムは完全には解明されていません。以前から耳鳴り のメカニズムには4つの仮説がいわれています。
まず内耳でつくられる音に関連した耳音響放射説があります。耳鳴りと慢性疼痛の両者の類似点は多 く、痛みを客観的に測定できないこと、精神的な状況が関係してくること、ちょっとした刺激に対して過敏に反応してしまうことなどが類似していることから、 慢性疼痛類似説というものがあります。耳の中に存在する2種類の細胞のうち、片方に障害が出てしまうことによって耳鳴りが起こるという内外有毛細胞不一致 説というものがあります。

 

あと脳のどこかに障害が生じた場合、ある周波数の音を聞き取れなくなる状態が続いてしまうと、その周波数に近い音に脳が過敏に反 応するようになってしまい、それが耳鳴りとして聞こえるという神経同調説があります。耳鳴りの高さを測ると難聴になった音の高さと正常な部分との境目で耳 なりがなっていることも多く、この説を支持する根拠ともなっています。
ここ30年の耳鳴りの研究ではMRIを使った脳の研究の発展とともに、耳鳴りは音を電気信号にかえる蝸牛の機能低下が耳鳴りの原因という考えから、電気信号が脳に送られたときの反応の問題により脳で耳鳴りがおこるのではないかという考えになってきています。
キシロカインという麻酔の注射をすると一時的に耳鳴りが消えてしまうことがある言う現象があります。以前は注射をすると頑固な耳鳴も注射をしているとき、 ほんの10秒程度ですが、消えてしまうので治療の一環として行われていました。私も大学院時代に、小川先生の元でイノシトール3リン酸の蝸牛における役割 を研究しており、キシロカインの作用がイノシトール3リン酸の回路に作用し耳鳴りを抑制するのではないかということで、イタリアで行われた世界耳鼻咽喉科 学会で発表しましたが、最近の研究をみていますと、蝸牛という末梢ではなく脳に関係があるようです。

 

出典:慶友銀座クリニック